5Gは、名前は短いですが、その包含範囲は広く、モバイル・ネットワーク・インフラ全体を含みます。スマートフォンやIoTデバイスなどの5G端末(UE)から、ネットワーク/オーバー・ザ・トップ(OTT)の消費者アプリケーションと企業アプリケーションがホストされるエッジ/コア・データセンターまでのすべてを包含しています。このエンドツーエンドのサービス・パスは無線ドメインと有線ドメインを横断することから、5Gネットワークは、5G New Radio(NR)が接続されて、エッジにアンテナが取り付けられた広大なパケット・オプティカル有線ネットワークと考えることができます。

つまり、エンドユーザー(人またはIoTでのマシン)のコンテンツが送信される無線部分は、スマートフォンやタブレットなどの端末(UE)から、基地局またはビルの側面に設置された無線子局(RU)までの間のみということです。それ以外の部分では、コンテンツは物理と仮想のネットワーク・エレメントから構成される有線ネットワークを送信されます。特定の事例ではマイクロ波バックホールを利用可能であり、実例もあります。しかし、大容量、高速性、将来的なアップグレード・パスの容易さを担保するなら、パケット・オプティカル有線ネットワーク以外に有望な選択肢はありません。多くのケースで、速度や5Gエンドポイントの数が桁違いに増大しています。

Japanese translation for the 5g network slicing diagram

図1: エンドツーエンドの5Gサービス・パス

xHaulトランスポート・ネットワークの重要性

総称してxHaulと呼ばれるフロントホール、ミッドホール、バックホールのトランスポート・ネットワークは、5Gサービスの展開を成功させるうえで極めて重要です。その理由は、xHaulトランスポート・ネットワークは、RU、DU(Distributed Unit、リモート局)、CU(Central Unit、集約基地局)と相互接続し、5Gコアへの無線アクセス・ネットワーク(RAN)を構成しているからです。ネットワーク・スライシングによって提供されるエンドツーエンド(E2E)サービス・レベル・アグリーメント(SLA)パフォーマンス保証は、最終的には5Gネットワークで提供されることになるので、xHaulネットワークの重要性は増しています。なぜなら、ほとんどのE2Eサービス・パスが有線ネットワーク上を送信されるからです。

超低遅延・高信頼通信(urLLC)などの使用事例では、この送信は少なくなります。この場合、ストレージ/コンピューティング・リソースをRus付近に配置することによってマルチアクセス・エッジ・コンピューティング(MEC)を利用するので、有線ネットワークの距離は短くなります。しかし、世界中でエッジ・データセンターが導入されているとはいえ、今後しばらくの間は今までどおり、RAN経由でアクセスされる大半のコンテンツは距離が離れているコア・データセンターから送信されます。

5Gが提示する機会と課題

ホールセール/モバイル・ネットワーク事業者は、5Gのメリットを最大限に引き出すために新しい技術、新しいアーキテクチャー、新しい運用モデル、新しいスキルセットを使用する必要がありますが、新しいだけでなく、今後もしばらくの間使用する4Gネットワークをサポートしていなければなりません。実際、GSMA Intelligenceの「2021 Mobility Economy Report」では、2025年の時点で引き続き50億を超える4G接続が稼働していると予想しています。そのため、4Gと5Gネットワークおよび4Gと5Gトラフィックを統合することは、モバイル/ホールセール・ネットワーク事業者の持続的な財務的実行可能性にとって重要な意味を持ちます。なぜなら、複数のネットワーク・オーバーレイを構築すれば、過剰な複雑さ、高コスト、リスクを招くだけだからです。これは、事業者の4Gから5Gへの移行プロセスは、それぞれに異なるという意味でもあります。

これまでモバイル・ネットワーク・インフラは独自仕様のクローズドなものであったので、モバイル・ネットワーク事業者は単一ベンダーを選ばざるを得ませんでした。これにより、単一ベンダーの製品ロードマップ、投資重点項目、能力、財務的実行可能性に縛られていました。オープン性を取り入れたより広範なマルチベンダー・エコシステムを利用すれば、自社固有のビジネス・ニーズへの対応に最適と考えられる最善の組み合わせを選択することができます。

事業者はオープン・アプローチの導入に加え、手作業による運用プロセスから脱却する必要があります。このようなレガシー・アプローチでは、5Gで必要となるスケールアップ・ダウンや複雑化に効率的に対応することができません。また、事業者は分析主導型の自動化を早急に導入する必要があります。これにより、5Gサービスのライフサイクル全体をより適切に管理できます。これは、オープン性と分析主導型の自動化が重なる領域でもあります。5Gネットワークの構築にオープンかつ包括的なアプローチを採用することで、事業者は最高レベルの自動化ソフトウェアを選択できるようになります。これは、マルチベンダーのオープンなエンドツーエンド5Gネットワークをより容易に管理し、リスクを軽減するうえで極めて重要です。

モバイル・ネットワーク事業者が5Gの達成に必要なオープン性、自動化、スケールアップ・ダウンを実現するには、どうすればよいでしょうか。その方法とは、Adaptive NetworkTMアプローチをすることです。

Adaptive Networkによる5Gアプローチ

5Gネットワークを展開する事業者は、プログラマブルなインフラストラクチャー、分析とインテリジェンス、ソフトウェア制御と自動化を取り入れたAdaptive Networkアプローチを実践する必要があります。これらのエレメントはすべて、オープン性とスケールアップ・ダウンの主要なテクノロジー原則に基づいています。プロフェッショナル・サービスもこれらの基盤となるエレメントをサポートします。プロフェッショナル・サービスは、ネットワーク事業者が5Gへの移行プロセスのあらゆる段階からネットワークを自社固有の最終形態に進化させるのに役立ちます。

Japanese translation for the adaptive network blog graphic

図2: CienaのAdaptive Network™

CienaのAdaptive Networkアプローチに基づくCienaの5Gネットワーク・ソリューションは、オープン性、スケールアップ・ダウン、自動化を提供します。統合された4G/5G xHaulネットワーク・インフラストラクチャー上で新しい5Gサービスの導入と既存の4Gのサポートを同時に実現するために、これらの機能は極めて重要です。エッジをおさえるためにAdaptive Networkアプローチがどのように役立つかについて、ホワイトペーパー「Adaptive Networkアプローチを採用して5Gを成功に導く」をご覧ください。

5Gをおさえる。エッジをおさえる。ただそれだけのことです。