昨年、「当社の新たなIP伝送に対する取り組みは始まったばかりであるため今後にご期待ください」と申し上げました。当Ciena WaveRouter product image社もそのときが来るのを心待ちにしていましたが、本日、統合メトロ向けに作り替えたルーティング・プラットフォーム・アーキテクチャを発表する運びとなりました。レガシー・ルーティング・アーキテクチャを刷新した真のブレークスルーとなっています。

WaveRouterTMをご紹介しましょう。目的に応じたこのユニークなコヒーレント・メトロ・ルーターは、メトロのIPレイヤーと光レイヤーの統合を目的としていますが、かつてないレベルの柔軟性、将来に備えることができる拡張性、向上したネットワーク・サステナビリティを実現しています。Cienaのコヒーレント・ルーティングを構成し、既存のルーティング・スイッチング・プラットフォームと互換性があるWaveRouterは、IPと光の最新の革新技術および高度で協調的なマルチレイヤー制御の統合における次なるステップとなります。事業者は新しいビジネス機会を大きく広げながら、自社と顧客ユーザーのネットワーク・コストを削減できます。

「当社は世界最大の通信サービス会社の1つとして、信頼性、安全性、効率性に優れた高速ネットワークを用いてお客様により大きな価値を提供するたゆみない取り組みを続けています。本日Cienaが発表したとおり、ネットワークの進化にはメトロにおけるIP/オプティカル統合を推進することが重要です。 通信業界は5Gで生じるマシン間やクラウドへの大容量データの移動を管理すると同時に、二酸化炭素排出量の削減を進めているので、この分野における継続的なイノベーションは極めて重要となります。」 - Verizon社、ネットワーク・プランニング担当ディレクター、グレン・ウェルブロック(Glenn Wellbrock)氏

刷新されたルーターが必要な理由

事業者が新しい需要に対応するためにメトロ・アーキテクチャの競争力ある進化を目指すときには、これまで3つの選択肢がありました。大型シャーシ(垂直型)、リーフ/スパイン、またはDDC(Distributed Disaggregated Chassis)です。

Existing metro platform architectures blog

現在のプラットフォーム・アーキテクチャの選択肢にはトレードオフがあるためメリットが混在

しかし、これらの選択肢を評価したときに、多くのネットワーク事業者はそれぞれのアーキテクチャの選択肢にトレードオフがあり、メリットが混在していることに気付きました。

  • 大型シャーシは事業者が期待する高密度を提供しますが、結局は固定されているため、全体的な拡張性と新世代へのアップグレード能力は制限されます。
  • リーフ/スパインを使用すると、各「スパイン」、つまりルーターをより容易にアップグレードすることで高密度を得られますが、様々な理由からシンプルな拡張方法とは言えず、費用対効果が高くありません。たとえば、複数のコントロール・プレーンを管理する必要があります。
  • DDCは、拡張コストを削減できるように見えるだけでなく、単一ソースから管理可能ですが、サステナビリティと運用面において深刻な課題があります。ホワイトボックスごとに個別の冷却と電源およびケーブル管理が必要になるといった課題です。他のオプションと比べてコストは削減されますが、DDCはシンプルではなく、一部のネットワーク事業者では実行そのものが不可能であることさえあります。

これらのオプションに目を向けると、私には穴の空いたボートのように見えて仕方ありません。1つの問題を解決しようとしているときに別の問題が噴出するという感じです。そこで、Cienaは一歩引いて、振り出しに戻ってじっくり考えることにしました。果たして、私たちはネットワーク事業者が現在のメトロ・ルーティング・プラットフォームの制約を解消するのに役立つ新しいメトロ・ルーターを再考して再設計できるだろうか。初期コストを抑えて、メトロで柔軟にスケールアップおよびスケールアウトするソリューションをより容易に展開して管理することは可能だろうかと自問しました。

そこで出した答えは、「私たちには実現できる」でした。

WaveRouterは、統合メトロ向けに最適化された目的に応じたユニークなコヒーレント・ルーターです。これまでのルーティング・アーキテクチャの最善の部分と、新しいルーティング・プラットフォーム設計、Cienaのコヒーレント光モジュール、マルチレイヤー制御をパッケージ化することにより、お客様が必要とする運用の簡素化とネットワークの拡張性をサステナブルにご提供します。それでは仕組みを見てみましょう。

運用の複雑さを軽減

私たちの業界は、光とルーティングの統合が始まっている交差ポイントに立っています。しかし、現在のアーキテクチャは単一レイヤー向けに開発されているため、事業者は分断化されて時間がかかる運用ツールを使用して統合ネットワークを展開、管理、保守しなければならず苦労しています。

WaveRouterをCienaの次世代のドメイン・コントローラーであるManage, Control and Plan(MCP)とともに導入することで、IPネットワークと光ネットワークの運用を統合および効率化できます。MCPアプリケーションは、一元的なマルチレイヤー・ネットワークの可視性とソフトウェア制御を提供するため、運用コストを削減しながらネットワーク・リソースを有効活用して需要に対応するのに必要なインテリジェンスを得られます。

Waverouther unified across technology

これが意味することは、マルチレイヤーの認識と調整、より的確なパス・ダイバーシティによるサービス可用性の向上、IP/オプティカル・ネットワーク・サービスの包括的なライフサイクル管理、単一の管理IPアドレスを使用する簡易化された物理アクセスが可能になるということです。その結果、変化する市場の需要に動的に適応できる極めて効率的な運用が可能になります。

メトロを柔軟に拡張

次に、当社は柔軟な拡張性の必要性に目を向けました。これはメトロ・ネットワーク・プランニングに関する議論で注目を集めている話題であり、中心になっている議論は、予測できない容量需要の適正なサイズの決定、変化し続けるマルチクラウド・トラフィック・パターンへの柔軟な対応の必要性です。メトロの容量の柔軟な拡張が重要な理由は何でしょうか。それは、メトロの容量を柔軟に拡張できなければ、ネットワークを過剰または過少に構築するリスクや十分に容量が活用されない場所にネットワーク投資を行うリスクがあるからです。

成長に応じて容量を拡張できるとしたらどうでしょうか。事前の決定が不要になります。

WaveRouterをもって、当社は「メトロ・ネットワークの柔軟な拡張」の意味を再定義しました。WaveRouterは、他のメトロ・ルーティング・プラットフォームと異なり、拡張性と柔軟性を備えた統合アーキテクチャを使用し、ルーティング、光、コンピューティングの複数の分野にわたる最適な拡張と進化を実現するように設計されています。6Tb/sの粒度で、6Tb/sから、48Tb/s、192Tb/sまでのスイッチング容量で構成できます。

バックプレーンの欠如、スロットのトレードオフ、有効利用されない容量について問題意識をお持ちでしょうか。WaveRouterは拡張性のあるユニークなルーター・スイッチ・ファブリックを備えており、パフォーマンスを低下させることなくインサービス中のハードウェア・アップグレードが可能です。これにより成長に応じて容量を拡張できるので、容量の導入について事前決定が必要なくなります。ビルディングブロック・アプローチであるため、使用するポート数、スイッチング容量、コヒーレント光モジュール数を容量のニーズに応じて拡張できます。

必要に応じて容量を追加できるCienaのビルディングブロック設計に加え、WaveRouterも業界最先端のコヒーレント光モジュールによるメリットを提供します。ハーフラック・サイズ(最大21RU)、フットプリントに最適化されたコヒーレントのフルラック搭載可能なプラットフォーム、高性能な光モジュール(波長あたり800Gb/sとそれ以上の進化をサポート)をお探しなら、WaveRouterは最適なソリューションです。最適化および統合されたWaveRouterの光モジュールを使用することで、メトロ・プラットフォームのフォークリフト・アップグレードを回避しながら、コヒーレントの革新技術を統合することができます。

これは何を意味するでしょうか。WaveRouterはチップセットやファブリック容量を有効に活用しながら、WaveLogicTM 5 Nanoコヒーレント・プラガブル光モジュール、パフォーマンス最適化コヒーレント・サブモジュールのWaveLogic 5 Extreme、最近発表したWaveLogic 6ファミリーを含む広範なプラガブル・モジュールとサブモジュールをサポートできます。WaveRouterは、これらのすべての機能に加えて、プラットフォームの柔軟性を活かすことで、将来のネットワーク拡張に柔軟に対応します。

Ciena's Coherent Routing with WaveRouter

しかし、それがすべてではありません。柔軟なコンピューティング機能が欠如した柔軟な拡張というのは正しくありません。その理由がお分かりですか。柔軟なコンピューティング機能が重要であるのは、ルーターのプロセッサーとは別にルーターのコンピューティング機能を個別にスケールアップできれば、他のルーティング機能の性能を犠牲にしなくても済むからです。

柔軟性とパフォーマンスを犠牲にしない究極のサステナビリティ

メトロ・ネットワークの需要が増大するにつれて、ネットワークの柔軟性を高めるより拡張性の高いソリューションが必要になりますが、そのソリューションは運用施設という管理環境下の制限範囲内で機能する必要があることも考慮しなければなりません。しかし、現在のメトロ展開オプションの多くは、管理環境下の制約を伴う従来の電気通信インフラに適応する能力を備えていません。

WaveRouterの最新の分散型シャーシと省スペース設計は、スペースと消費電力の制約に対応する温度管理の柔軟性を大幅に向上させます。隣接していないラックの列に導入できる柔軟性と前面から背面への冷却の効率性が得られるため、従来の電気通信インフラで多発している解決の難しい温度の制約の問題を容易に解決できます。

Cienaは、お客様のサステナビリティの目標と要件を勘案して設計プロセスに組み込んでいます。たとえば、WaveRouterの前面プレートは角度がついたユニークな形であるため、高価な光ファブリック・ケーブルの代わりに低価格のパッシブDACケーブルを使用できます。ゼロパワー、超薄型、制約なしのケーブルは、コストを抑えた方法でファブリックとの相互接続を可能にします。

さらに、WaveRouterの共有された配電、ポート、ノードは成長に合わせて拡張可能であるため、必要になったときに時間的な余裕を持ってネットワーク・リソースを導入できることからTCOの削減だけでなく、サステナビリティ目標の達成にも役立ちます。

Waverouter Unique Angled Faceplates_15x QSFP-DD QBox

WaveRouterの角度がついたユニークな前面プレート

Cienaの業界をリードするパフォーマンス最適化ソリューションのWaveLogicコヒーレント光モジュールや、スペースと消費電力に最適化されたプラガブル・モジュールも忘れてはなりません。それらの中から最適なオプションを選択することで、コストを最小限に抑えて、スペースと消費電力を最適に利用しながら、すべてのネットワーク要件を満たすことができます。お客様は、目的に応じたルーターによって再生中継の必要性をなくして、初めてオプティカル・パフォーマンスをリンク要件に合わせて調整できるようになりました。これはサステナビリティとコスト目標を達成しようとするときに極めて重要です。

これらのすべての機能を追加することで、Cienaが独自の方法でWaveRouterを構築した理由を明確にご理解いただけるはずです。密度、消費電力、スペース、冷却の要件に応じて、メトロ・ルーターの最適な選択肢が見つかります。温度の課題の解決とサステナビリティ目標の達成に役立てていただけるように、WaveRouterは新たな方法で実現されています。

外見だけではなく内面が新しくなったWaveRouter

お客様から統合メトロ・ネットワークを新たな方法で構築したいというリクエストをいただき、当社はそれにお応えしました。WaveRouterの業界初のユニークなプラットフォーム・アーキテクチャにより、従来からある制約の課題を解消し、メトロにおけるIPレイヤーと光レイヤーの統合、最も簡素化された運用、将来的な拡張への対応、サステナビリティの向上を実現していただくことができます。当社は、WaveRouterがメトロ・アーキテクチャにもたらす可能性に大きな期待を寄せています。メトロ・ルーティングの未来へ、そして、WaveRouteへようこそ。