800G:誇大広告ではありませんでした。待ち望まれていた速度の登場です。CienaのWaveLogic 5 Extremeコヒーレント光ソリューションが達成できる速度と仕様をあれこれと推し量る必要はもうありません。お伝えしている速度が実働ネットワークで実証されました。

しかしながら、WaveLogic 5 Extremeのメリットは800Gだけではありません。短距離伝送において単一キャリアを使って800Gb/sスループットを達成できるだけでなく、光インフラ全体をスケーリングし、すべてのネットワーク・パスで過去最高の波長あたりの容量を実現することができます。  1,000kmリンクでは600Gb/s、超長距離経路では400Gb/s、太平洋横断の補償ケーブルでは200Gb/sを伝送できます。 最終的に重要なことは、このステップごとのパフォーマンス向上がお客様にどのような意味をもたらすかということです。 それは、導入/管理対象のハードウェアの台数、消費電力、ビットあたりのコストの削減です。

数年に及ぶ開発の成果として、WaveLogic 5 Extremeが登場し、業界初となる800Gソリューションが市場に投入されました。アーキテクチャーの傾向に合わせてすべてのお客様に実装していただけるように、6500 Packet-Optical Platform、Waveserver 5のコンパクトな相互接続プラットフォーム、およびWaveLogic 5 Extreme 800Gトランシーバー・モジュールという3つの製品をご用意しています。

WaveLogic 5 Extremeの成功の要因

開発の裏側に目をやると、実は、この取り組みは何年も前に初期のターゲットと意欲的な目標を掲げてスタートし、数値計算、伝播分析、DSPアルゴリズムの開発によって推進されてきました。次第に、理論計算の検証にASICと高速光電変換コンポーネント用の一連のテスト・チップが使用されるようになり、最終的に生産コンポーネントと包括的な製品の統合および検証が実現しました。

WaveLogic 5 Extremeチップそのものは12mm x 16mmのデバイスであり、非常にコンパクトでありながらパワフルです。次のような注目すべき卓越した機能を備えています。

  • このチップは、業界初の光ネットワーク向け商用7nm CMOSデバイスです。
  • 7nm FinFET技術を基盤とし、3キロメートルに及ぶ配線が組み込まれており、1秒あたりの演算回数は800兆回です。ノートパソコンの約40万倍に相当する処理能力を持っています。
  • ASICに実装されている機能には、非線形PCS(確率的コンステレーション・シェーピング)、スループットに最適化されたFEC(前方誤り訂正)、周波数分割多重方式、暗号化などがあります。

WaveLogic 5 Extremeチップの内側図と基盤技術

このような非常に複雑なパーツの設計と製造にミスがあった場合を想像してください。最初からやり直して別のASICを製造する必要があります。このプロセスには何か月もかかります。つまり、最終製品がラボだけでなくお客様が運用中のネットワークでも、期待されているとおりに、あるいは期待以上に機能することは非常に意義のあることです。このような一貫した歴史を持ち、とりわけ複雑な技術において「業界初」の数々の実績を成し遂げたコヒーレント・モデム開発チームと協働することは、大きな気付きをもたらします。

800Gが必要なネットワークとは?

毎秒8,000億ビットは非常に大容量です。これは、90分のHDムービーを22本または最新リリースのコール オブ デューティーを1秒で伝送するのに十分な容量です。そのような大容量が必要なネットワークとは、どのようなタイプのネットワークでしょうか。「世界初」の業績に関する最新の発表で分かるとおり、実は多くのネットワークが大容量を必要としています。以下の発表の内容は、WaveLogic 5 Extremeがさまざまなネットワーキング・アプリケーションに提供する重要なメリットに焦点をあてています。早速、見てみましょう。

MSOネットワーク

WaveLogic 5 Extremeとフレックス・グリッド技術を採用し、Comcastは最近、世界で初となる単一波長で600Gbpsを長距離伝送するパイロット導入を実施し、ニューアーク、ニュージャージー、ピッツバーグ、ペンシルベニア間の800kmを超える距離で商用のライブ・トラフィックを伝送しました。ネットワークにはその他のチャネルも多く存在していました。業界にとって快挙と言えるこの出来事は、Comcastが最大容量と最高速度を実現し、可能な限り最高のユーザー・エクスペリエンスを提供することに本気で取り組んでいることの証でもあります。

またComcastは、WaveLogic 5 ExtremeがComcastの全国バックボーン・ネットワークの全域に及ぶ再生なしの400GbE伝送を提供する時点で、いつでも次世代の400GbE接続速度に対応する体勢を整えています。この技術のすべての機能をテストするために、Comcastは600G信号をループバックして、1,600kmを正常に伝送できることも確かめました。これは、今日の市場で入手可能な最新の600G技術が達成できる距離の10倍を超える距離です。

R&Eネットワーク

Internet2とCienaはWaveLogic 5 Extremeを使用して、シカゴとデンバー間の2,100kmにおいて単一キャリアで400G波長を伝送する業界最長の伝送距離を実現しました。これは、それ以前にその距離で達成可能であった容量の4倍に相当します。その4倍のスループットを実現するために必要なものは、1セットの光部品だけです。 これが意味することは、Internet2のコア・ネットワークの容量は、広大な天文学、微細な原子・素粒子物理学など、各専門分野の計算科学研究者が使用する膨大な量のデータフローに対応できるということです。これにより、地域の教育ネットワークやそれを使用する教育機関のメンバーに多種多様なサービスを提供できるようになります。 この新しい技術は、高速接続のメリットを提供することに加え、Internet2の既存の光分岐挿入装置の全体の設置面積と消費電力を3分の2に削減します。

海底ネットワーク

Southern CrossはWaveLogic 5 Extremeを使用して、世界初となる単一波長の800Gチャネルで米国西海岸の2つのデータセンターを接続しました。読者の皆さんは、800Gや海底ネットワークになじみがないかもしれません。海底ネットワークは、陸上リンクと海底リンクの両方から構成されています。WaveLogic 5 Extremeは、ネットワークのすべてのリンクと複数レート(400G、500G、600G、さらに800G)にわたり、波長あたりの容量を倍増させます。すべての距離において容量を最適化するために、陸上ネットワークでも使用されます。

WaveLogic 5 Extremeを海底ネットワークで使用する場合の最も重要なメリットは、敷設済みの海底ネットワークの投資利益率を最大化できることです。WaveLogic 5 Extremeにより、Southern Crossは元々2.5Gbps波長を伝送するように設計されていた同じインフラを利用して、ネットワーク容量を本来の容量仕様の80倍にアップグレードすることができます。

サービス・プロバイダー・ネットワーク

WaveLogic 5 Extremeを使用して、Verizonはルーター・トラフィックを伝送している運用中のネットワークで800Gの試験を完了し、マルチベンダー装置の相互運用性と、単一波長で伝送可能な標準的な容量の4倍の容量を伝送できることを実証しました。Verizonのテクノロジー・プランニング担当のスミス副社長(Kevin N. Smith)は、次のように語っています。「当社は現在、5Gの変革がもたらす業界および消費者へのインパクトと共に発生するデータの急増に対する準備として、接続するファイバー・レイヤーを進化させています。これだけの大容量を単一波長で提供する業界唯一のプロバイダーとして、当社はビットあたりのコストを大幅に削減し、サービスを提供できるようになります。」

Cienaは、光ネットワーキングの800Gの時代が始まったことに大きな期待を寄せています。お客様とエンドユーザーがこれらの新しい機能をどのように活用していくかを注視して参ります。お客様は、次にどのようなアプリケーションを想起するでしょうか。それは誰にも分かりません。しかし、私たちはそれを可能にするインフラストラクチャーを実現するために喜んでお力になります。

WaveLogic 5 Extremeの高度なDSPと高いボーレートがこれまでにないレベルのネットワーク効率を実現する方法について関心はありますか。また、高ボーレートのコヒーレント・ソリューションのネットワーキングの影響についてご興味がおありですか。以下の新しいWaveLogic 5 Extremeの「効率性のストーリー」ビデオをぜひご視聴ください。

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