2020年以降を見据えたパケット・ネットワークの設計指標
アジア・パシフィック・ジャパン地域のお客様とお会いすると、パケット・ネットワークを最新なものにする際に生じる複雑さの問題がよく話題にのぼります。
多くのお客様は、TDMとパケット(イーサネット/IP/MPLS)がもたらす複雑さの対応に苦慮しています。運用コストが上昇するとともに結果としてサービス開始に時間がかかり柔軟性も失われるため、ユーザー需要の変化にスムーズに対応できないとお話しになっています。 まだまだ多くのネットワークが、新しいサービスの迅速な導入に必要な自動化と俊敏性に対応していません。
次のWe Are Socialの調査結果を考察してみましょう。
- APAC(アジア太平洋)地域全体のスマートフォンの普及率は104%である
- APAC地域の人口の48%が都市に集中し、強力なエッジを持つ高い密度のネットワークが重要となっている
- この地域の人口の45%がアクティブなモバイル・ソーシャル・ユーザーであり、ソーシャル・メディアのビジュアル性、リアルタイム性、モバイル性は高まっている
この地域の新規のサービス・プロバイダはモバイル・ネットワークをゼロから構築しており、初めから目的に特化したネットワークを設計構築してこれらの需要に対応しています。 これとは対照的に、既存のプロバイダのお客様は、新規のサービス・プロバイダとの競争に痛みを感じており、現在では明らかにスマートフォン利用が主流であるにも関わらず、もともとファックス機や有線回線、ポケットベルまでの通信動作を想定して構築したネットワークを保守しなければならないという問題を抱えている、と語っています。
このような競争の激しい市場において、既存のサービス・プロバイダでも2020年以降の成功を目指す事業者は、今変更を進めています。
現状を踏まえたアーキテクチャ設計
前進するための方法は、適応することです。 それは、パケット・ネットワークを高度に仮想化、モジュール化、自動化された設計へ進化させるということです。
こうすることで、地域で成長する次のような分野に対応できるようになります。
- ビジネスと消費者のアプリケーション全体で利用が拡大しているクラウドベース・アプリケーション
- ビジネス・インフラと消費者サービスの両方で普及が進む仮想化
- 利用頻度が高まるビデオ会議、ビデオ・ストリーミング、AR/VRなどのリッチ・メディア・アプリケーション
- センサー・ネットワーク、工業化分野、自動運転車、スマートシティーなどのIoTアプリケーション
- 4Gネットワークの拡張と5Gへの円滑な移行の準備
これらに対応できるのは、Cienaのパケット・ネットワーキング・ポートフォリオです。そしてこれには、Adaptive IP™やコヒーレント光技術のサポート、そして差し迫ったパケットの利用形態に対応したパーパス・ビルドなハードウェア・プラットフォームなどの最新の機能強化を含みます。
では、最新の開発状況をご紹介します。
将来のビジネスに対応するCiena Adaptive IP
古い硬直化したIPベース・ソリューションは、現在ではなく過去のネットワークの利用を想定して設計されました。 新しいアプローチとして、アクセスからメトロまでのIPベースのネットワークを拡張し単純化することが必要とされています。効率化、仮想化、自動化によって、運用の複雑さを大幅に緩和するアプローチです。 これは 重要な機能を失うことなく、将来を見据えることができます。
当社は、この新しいアプローチをAdaptive IPと呼んでいます。
Adaptive IPは、以下から構成されるアーキテクチャ設計により、Adaptive Network™のビジョンをレイヤー3ネットワークに適用します。
- プログラマブルなインフラストラクチャ
- ソフトウェア制御と自動化
- 分析とインテリジェンス
当社はAdaptive IPによって、事業者と企業のお客様が、迅速な導入、アップデート、変更によるサービス展開速度の向上ができるようお手伝いし、ネットワークのトータルコストを削減します。 これは、どのように実現されるでしょうか。 それは運用の複雑さをなくし、従来の(レガシー)IPの実装に必要な電力、設置面積、メモリー、処理容量のオーバーヘッドを削減することによって実現されるのです。 CienaのIP実装は、ネットワークの健全性を評価するためのテレメトリー情報をほぼリアルタイムに生成することで、ネットワーク設定の自動化、パフォーマンス管理、最適化を実現します。
Adaptive IPは、プログラマブルなインフラストラクチャ・レイヤーの上で、Service Aware Operating System(SAOS)パケット・ソフトウェアによって有効化されます。 これは、モジュラー構成でディスアグリゲート・マイクロサービス・ベースのアーキテクチャの上で実装され、プログラマブルなクラウド・ベース・テクノロジーとオープン・インタフェースを組み込んだインテリジェント・オートメーションOS(オペレーティング・システム)を提供します。 事業者はこの効率化されたアーキテクチャを使用することで、特定の使用事例に適応可能なDevOpsベースの開発サイクルを実行し、革新的な新サービスによって差別化を図ることができます。
Adaptive IPの他にも、Cienaはこの1年間でパケット・ネットワーキング・ポートフォリオに次のような機能を追加しました。
- レイヤー3 Route Optimization & Assurance機能。レイヤー0からレイヤー3までのネットワークの設計、運用、管理をエンドツーエンドで向上させます。
- さまざまなパケット・ネットワーキング・プラットフォームにおいてコヒーレント光技術をサポート。 これにより、迅速かつ低コストで拡張可能となり、増え続ける帯域、特にネットワーク・エッジ向けの帯域の問題に対処できます。 また、消費電力、設置面積、コスト、そして全体的な運用の複雑さを大幅に削減し、ネットワークの設計を単純化できます。
- 機能強化されたSAOSを搭載する5162と5170 Service Aggregation Platformなどのさまざまな新しいパーパス・ビルドのハードウェア・プラットフォーム。これらは、市場の成長を牽引する重要な分野で特定のアプリケーション・ニーズを満たすように最適化されています。
最新化プロジェクトをスタート
現在と新規の、そして将来のアプリケーションに対応するには、エンドツーエンドのTDM(SDH/PDH)ネットワークは非常にコストがかかり機能が不足しています。 ネットワークの最新化を始めたサービス・プロバイダは、最初は小さなプロジェクト規模から始めたとしても、2020年以降の競争力をより有利な立場で維持できます。
Adaptive IPは、Cienaが推奨するIPネットワーク全体へのビジョンですが、Cienaのパケット・ネットワーク・ソリューションを導入すれば、最新化をどこからでもスタートできます。 Cienaのプロフェッショナル・サービス・チームは、 計画と設計、導入、管理、保守、トレーニングのすべてのステージでお手伝いします。
ネットワーク最新化の方法について、詳しくは、www.cienacorp.jp/metro-network-evolution/のリソースをご参照ください。