Cienaのコヒーレント光の投資戦略におけるプラガブル光モジュールの位置付け
グレッグ・フリーセン(Greg Friesen)は、6500、Reconfigurable Line System、Waveserver®製品などのCienaの統合パケット・オプティカル・ソリューションの開発と製品紹介を担当しています。
Ciena製品は世界中の最大規模のネットワークの大半に導入されているため、我々はネットワーク変革や次に何が起こるかについて質問されることがよくあります。 実際、昨年はお客様との会話でこの話題に多くの時間を割きました。当社のお客様は、サービス・プロバイダー、クラウド事業者、コンテンツ・プロバイダー、ケーブル事業者、企業、官公庁など多岐にわたるため、Cienaチームは、ネットワーク事業者が直面しているさまざまなビジネス課題に加え、変革を成功させるために必要な要件を十分に理解しています。Cienaはこれらのインサイトに基づいて戦略的な投資とソリューションを推進しています。Cienaが信頼性に優れた高パフォーマンスのコヒーレント光ソリューションの業界トップのサプライヤーとして認められている理由の1つとして、適切なソリューションを適切なタイミングで市場に投入してきた確固たる実績を挙げることができます。
たとえば、Cienaは過去25年にわたり、業界初となる製品を数多く提供してきました。メトロと長距離DWDMシステム、統合パケット・オプティカル・プラットフォーム、OTNスイッチ、当然ながら40G、100G、400G、そして最近800Gを達成したコヒーレント光ソリューションも業界初となる快挙でした。また、当社は新世代のテクノロジーの早期導入にも積極的です。それらの導入は、市場のニーズを適切に満たし、絶好のタイミングであったことが実証されています。
では、次に登場するのは何でしょうか。 100Gから400GのWaveLogic 5 Nanoコヒーレント・ソリューションです。このソリューションには、プラガブル・フォームファクターのコヒーレント・モデム、および実際の導入に必要なその他のすべてのエレメントが含まれています。
市場要件と顧客要件
ここで、オプティカル業界に目を向けてみましょう。Cienaは、コヒーレント光技術、光通信システム、SDNアプリケーションの別なく、前例のない数の革新技術を開発してきました。サービス・プロバイダー、コンテンツ・プロバイダー、ケーブル事業者のお客様がネットワークを進化させてアップグレードするのに伴い、お客様には各種の有望な新しいコヒーレント光技術とアーキテクチャーがさまざまな選択肢として提供されています。
コヒーレント光技術に目を向けると、業界は2つの異なる方向へ設計を進化させていることが分かります。高パフォーマンス・ソリューションと小型化ソリューションです。パフォーマンスに最適化されたコヒーレント光技術により、波長あたりの容量の大幅な向上、再生なしで達成できる最大限の距離の延長、ファイバー容量の最大化が可能になります。 また、パフォーマンスに最適化された最先端ソリューションはすべての距離で400GbE接続の効率的な伝送を提供するため、400Gルーター・インフラストラクチャーへの進化もスムーズです。この技術は、スペクトル効率が重要な要件となる、トラフィックが急成長している大容量ネットワーク・アプリケーションに最適です。
それと同時に、光部品のコンパクト化により、小型化されたコヒーレント光ソリューションを開発できるようになりました。小型化されたコヒーレント・プラガブル光モジュールにより、コヒーレント技術がもたらす大容量と光回線の単純化のメリットを新しいアクセス・アプリケーションまで拡張することが可能になり、成長に合わせて拡張できるモジュール性および低消費電力とコンパクトな設置面積のメリットを提供できます。 また、プラガブル・コヒーレント光モジュールは、分離されたトランスポート・レイヤーとパケット・レイヤーを使用するのではなく、統合IP/オプティカル・プラットフォームを使用する機会をもたらします。
さて、未来に向けてネットワークを最新化するために導入すべき適切なアーキテクチャーは何でしょうか。一部で聞かれる意見とは異なりますが、すべてのアプリケーションに適したソリューションというもの存在しません。 実際、お客様との関係を通して分かってきたことは、同じアプリケーションに対して複数の有望なオプションが存在する場合があり、適切なソリューションは、ネットワークの特性、トラフィック要件、運用の優先事項によって変わるということです。次のような要素を検討する必要があるでしょう。
- ファイバー特性はどのようなものか。
- どのタイプの光通信システムが存在するか。どのタイプのROADMが何台あるか。光チャネル計画はどのような内容か。
- 必要なクライアント接続オプションは何か。
- 容量要件はどのようなものか。予想されるトラフィック成長率はどの程度か。
- レストレーション・パスはいくつ必要か。
- 追加ファイバーをすぐに利用できるか。
- 探し求めているのは完全にディスアグリゲーション型のソリューションなのかターンキー・ソリューションなのか。
Cienaの戦略および投資を分析
Cienaの戦略はどのようなものでしょうか。Cienaは、変化に簡単に適応し、変わり続けるお客様のビジネス要件を適切にサポートできるネットワークを強化するために、ソリューションを絶えず進化させています。当社は、より高いレベルの垂直統合を実現し、ネットワーク事業者のさまざまな要件に対応するために欠くことのできない大規模なテクノロジー投資により、業界最先端のエッジ・ソリューションと導入しやすいコヒーレント・パケット光ソリューションを提供しています。
Cienaは、今年初めにWaveLogic 5 Extremeを市場に投入しました。これは、6500とWaveserver 5の両方のプラットフォームで稼働する業界初となるプログラマブルな200G~800Gソリューションです。 WaveLogic 5 Extremeの早期導入と普及が非常に好調である理由は、当社が包括的なソリューションを提供していることに大きく関係しています。陸上と海底アプリケーション向けに最適化されたトランシーバーもそのようなソリューションであり、広範な光通信システムと運用モデルに加え、100GbE、OTU4、400GbEEなどの汎用的なクライアント・インターフェイス・オプションをサポートしています。 当社は、今後もOTNスイッチング、暗号化、Lバンド、新しいボーと新しいSDNアプリケーションのサポートなどのさまざまな機能を追加することによって、WaveLogic 5 Extremeソリューションを拡張し続けていきます。
お客様とネットワーク・アプリケーションのニーズは多岐にわたるため、当社の取り組みはそれだけに留まりません。当社は、今後数か月以内に400Gコヒーレント小型化ソリューションのWaveLogic 5 Nanoファミリーの展開を開始します。WaveLogic 5 Nanoも、大規模導入向けにお客様が期待している包括的な統合ソリューションとともにお届けします。これらのソリューションに含まれるのは、スタンドアロン・モジュール、最適化された光通信システム、リンク・エンジニアリング・ツール、ネットワーク設計ツール、MCPドメイン・コントローラーとLiquid Spectrum分析アプリケーションによるマルチレイヤー運用と最適化に加え、オプティカルとパケットのネットワーキング・プラットフォームにわたって提供される100から400Gのプラガブル・コヒーレント光モジュールです。
お客様は、ターンキー型から完全なディスアグリゲーション型やその中間にあるソリューションまで、ネットワーキングのニーズに応じて一部またはすべてのエレメントを選択することができます。
WaveLogic 5 Nanoに関する詳細
WaveLogic 5 Nanoをご存じでしょうか。WaveLogic 5 Nanoモデムでは、Cienaの高度な高速パッケージングとアセンブリーの手法とともに、Cienaのシリコンフォトニクスの光部品の専門知識を活用することにより、本格的なコヒーレント・パワーを小型化パッケージに収めています。これらの技術は、Cienaがこれまで数年にわたって投資してきた基盤技術であり、Cienaのトランシーバー・オン・チップ(ToC)の生産に使用されています。トランシーバー・オン・チップは、Cienaの7nm CMOS DSPとシリコンフォトニクスHB-COSA(High-Bandwidth Coherent Optical Sub-Assembly)から成るマルチチップ・モジュールであり、Co-Packageによってコンパクト・フォームファクターのプラガブル・コヒーレント光モジュールを実現しています。CienaのToCは、プラガブル・アプリケーションに不可欠な統合、小型化、低消費電力を達成するために重要な役割を果たします。
当社のチームによる同時並行的な光部品、DSP、光通信システムの開発を通じて、WaveLogic 5 Nanoエンジンは、ネットワーキングの考慮事項を念頭において、目的に特化した導入しやすいプラガブル光モジュール・ソリューションを目指して設計されました。 100Gから400Gのビットレートを持つ、アプリケーションに固有の広範なプラガブル光モジュール製品が提供されます。より低いビットレートでは、拡張温度環境など、アクセス分野での適応範囲が広がります。より高いビットレートでは、シングルスパンDCIの400ZRをサポートするプラガブル光モジュールや、ITU、Open ROADM、CableLabsなどの業界標準モードをサポートする、回線の相互運用性が必要なアプリケーション向けのプラガブル光モジュールが提供されます。 また、マルチスパンのメトロ/リージョナル・アプリケーション向けに、クラス最高の到達距離の延長を実現する、パフォーマンス強化のCiena独自のDSP技術を備えたプラガブル光モジュールも提供する予定です。
プラガブル・コヒーレント光モジュールは、CienaのWaveLogic 5 Nanoネットワーキング・ソリューションのほんの一部に過ぎません。WaveLogic 5 Nanoコヒーレント光モジュールは、さまざまなアプリケーション要件に対応するために、51xxと81xxスイッチ/ルーター・ポートフォリオはもちろんのこと、6500とWaveserverのプラットフォームにわたってサポートされます。 Cienaのすべての光ソリューションと同様に、最適化された光通信システム、リンク・エンジニアリング、設計ツール、マルチレイヤー管理、分析によってソリューションが完成し、CienaのAdaptive NetworkTMポートフォリオ・ソリューションによってプログラマビリティー、インテリジェンス、実施可能なインサイトが提供されます。
これまでにない規模のR&D投資により、Cienaは変わり続けるネットワーク・アーキテクチャーの要件に最も効果的に対応できるソリューションの選択肢とともに、お客様が先手を打つのに役立つ業界最先端の技術と信頼できる革新的なソリューションを提供し続けます。現在、WaveLogic 5 Extremeをネットワークに導入して、そのメリットを実現しているお客様から、大きな関心と期待が寄せられています。 WaveLogic 5 Nanoにより、お客様はコヒーレント光技術のメリットをネットワークのエッジ付近などの新しいアプリケーションまで拡張できるため、このような関心と期待は高まるばかりです。
今後展開するさまざまなソリューションの詳細については追ってご案内いたします。