世界中で大きな技術革新が続く中、高帯域への需要がより一層強くなっています。Cienaはその需要に応えるため、常にイノベーションを推進して最先端の光伝送ソリューションンを提供してきました。
今回は、業界初の「1波1.6テラ」光伝送を実現する、新世代コヒーレント光伝送技術「WaveLogic 6」と既に世界中の290社以上で実績を持つ「Wavelogic 5」について、ユースケースとともにご説明していきます。
高帯域幅ネットワークのメリット
昨今のデータトラフィックの激増に頭を悩ませる通信事業者やデータセンター事業者は多いことでしょう。そんな事業者にとって、帯域幅のニーズに合ったソリューションを選択するメリットとは何でしょうか。
トラフィック増加への対応
日本の固定系ブロードバンドサービス契約者の総ダウンロードトラフィックは、推計値で約34.5Tbpsと言われています(2023年11月)。
ネットワーク帯域が広くなることで、このような巨大なトラフィックに対応することができるようになります。また、通信速度の向上にも大きく影響してきます。
コスト効率
ネットワークの伝送容量を倍増できれば、消費電力とコストの削減をもたらすことができます。最近の電気料金の高騰、電力消費量の増大にさらされている通信事業者にとって、重要な利益をもたらすでしょう。
WaveLogic 5 800Gが10万台の出荷数を突破
増大し続ける帯域需要に対応するべく、デジタルコヒーレント通信技術の開発・実用化で、Cienaは常に業界をリードしてきました。2019年には、1波800Gbpsの超高速伝送を可能にする第5世代チップセット「WaveLogic 5 (以下、WL5))」を発表、2020年には搭載製品をリリースし、“どこでも400G”の世界の実現をいち早く支援しました。
WL5は200Gから800Gまでのプログラマブルな容量を提供し、距離に関わらず単一波長による400GbE伝送を実現します。また、パフォーマンス、設置スペースや消費電力を最適化し、コスト効率の向上が可能になります。
2023年11月にはWL5の出荷数が10万台以上に達し、Cienaが業界をリードする企業であることを改めて証明しました。総計で世界68か国の290を超えるお客様へ出荷されたWL5は、現在も多数の企業の変革をサポートしています。
首都間での400G波長サービス提供を支援
Telstra Corporation(以下、Telstra)はオーストラリアの大手通信会社で、そのテクノロジーやネットワークサービスの卸売部門としてTelstra Wholesaleを運営しています。
同社は、オーストラリアの首都間ルートでネットワークサービスを2023年5月18日に開始しました。
Telstraは本サービス開始にあたって、Cienaのソリューションを複数活用しており、その中でもWaveLogic 5 Extreme(WL5e)は同社の大容量サービスの実現に大きく貢献しています。WL5eは、サービスごとに送信されるデータ容量を4倍にし、400Gbpsの接続サービス提供を可能にしています。また、光ネットワークのパフォーマンスを向上させ、消費電力や設置スペースの最適化を支援しました。
Cienaの光ネットワーク高度化への挑戦は、これで終わりではありません。2023年2月に、1波1.6Tbps伝送を可能にする新世代チップセット「WaveLogic 6(WL6)」を発表しています。
WL6は波長あたり最大1.6Tbpsの技術を実現し、ネットワーク全体にわたり800Gbpsのユビキタス接続を提供するソリューションです。WL5に比べて同じスペースで2倍の通信容量を提供し、ビットあたりの消費電力をさらに50%削減しています。
またWL5と比べて、800Gbps以上の速度で2倍近いネットワークを構成できます。現にWL6eのパフォーマンス・シミュレーションでは、1万2千kmの太平洋横断海底リンクで1Tbpsの波長伝送が実証されました。
WL6には下記3点の明確なメリットがあります。
- 波長あたりのデータスループットは最高1.6Tb/s
- 日本全土で800Gbps伝送が可能、東京~大阪間では1波長あたり1Tbpsを超える高帯域を実現可能
- 他社の1.2Tb/sソリューションと比べ、装置数、スペース、消費電力を25%程度削減できる
Vocus社、WaveLogic 6の活用で1.6Tb/s伝送を展開予定
2024年1月、ネットワークソリューションの専門プロバイダーであるVocusは、長距離ネットワークと地域ネットワークにWaveLogic 6 Extreme(WL6e)を導入すると発表しました。
Vocusは業界初であるこのコヒーレント光伝送ソリューションを採用することで、前例のない高帯域幅需要に対応できるようにネットワークを準備できるとコメントしました。さらに必要な機器数とスペースの削減でエネルギー効率を向上でき費用対効果を高めるメリットを享受することができます。「WL6eはクラウド・AI時代の需要に対応するために必要な容量を提供してくれる」とVocusのネットワーク・エンジニアリング担当ゼネラルマネージャー、スティーブ・ヘイグ(Steve Haigh)氏は述べています。
Cienaは業界をリードする光技術革新で、サービスプロバイダーを強力に支援
増大を続けるデータトラフィックをより速く安定的に処理すべく、Cienaは光技術の革新で世界をリードしてきました。100G、400G、800G伝送を世界で初めて実用化してきたCienaの技術進化はついに「1波1.6Tbps」の領域に突入します。世界が大きくデジタル時代へと変わっていく中で、重要な役割を担う通信ネットワーク。Cienaは世界中で多数実績を持つWL5や、1波長当たり最大1.6Tbpsの伝送容量を持つWL6を始めとしたソリューションの提供・継続的な技術革新で、サービスプロバイダーが急増する帯域需要の重圧に対処できるよう支援をして行きます。